第二十七回メールマガジン(2023年12月4日発行)
●●●目次●●●
1. ご挨拶
2. あまり知られていないパワーメータの落とし穴
3. ビームシェーパーXmasセール情報
4. 旧シリーズフォーカスモニタの修理について
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1. ご挨拶
早いもので今年も残すところあと1か月となりました。
本当に時間というものはものすごいスピードで流れていきます。
今回はXmas特別セールのお得な情報もございます。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
2. あまり知られていないパワーメータの落とし穴
レーザの出力計測にパワーメータを使われているかと思います。
パワーメータは大きく分類すると、水や金属の温度上昇からレーザ出力を算出するカロリメトリック方式と、熱電対からの電流値でレーザ出力を算出するサーモパイル方式がございます。
私の知る限り、日本のほとんどのお客様はサーモパイル方式のパワーメータを使われていますが、サーモパイル方式には、測定時に注意しなければならないことがあります。
サーモパイル方式のパワーメータは、受光部の裏に張り付けられている2種類の金属で構成される熱電対からの電流値がレーザ出力値に変換されますが、この時の電流値は、照射されるレーザの位置や大きさによりばらつきがあります。
つまり、同じ位置に同じサイズで照射しなければ再現性を確保することができません。
この度、弊社にてサーモパイル式のパワーメータを入手し、計測実験を行ってみました。
弊社にて計測したデータはこちら
また、サーモパイル方式のパワーメータはセラミックに熱電対が張り付けられた構造になっているのが一般的ですが、レーザを照射した際に(サーモパイル方式の場合、30~60秒のレーザ照射をして計測する)、このセラミックプレートや熱電対の伸縮が発生するため、長期間の使用によりこれらに摩耗が発生し、校正の度にディスク交換などの高額な修繕費用が発生するケースもございます。
カロリメトリック方式の場合はこれらの問題が起こらないため安定した計測を長期的に行うことが可能です。
最近ではPRIMESのCubeやPMMのような、金属プレートの温度上昇を計測するタイプのカロリメトリック方式パワーメータが販売されていますが、これらは、レーザ出力計測時のレーザ照射は1秒にも満たない短時間であるため(例えば4kWのレーザを計測する場合は0.1秒の照射)、金属プレートの摩耗が起こりにくいという優れた特徴を示します。
このところ、カロリメトリック方式のこれらアドバンテージをご説明させていただき、デモを実施したのちご購入いただくケースが増えてまいりましたので、パワーメータの精度、ランニングコストを改善されたいという方は是非お声をおかけください。
勢いでデモ機を購入してしまいましたので、ご依頼いただければデモ機をもって駆けつけます!
3. ビームシェーパーXmasセール情報
円安により、お客様には値上げの話ばかりさせていただいており本当に申し訳ありません。
今回、仕入れ先のご厚意でビームシェーパー関連製品の特別価格セールができることになりましたのでご案内申し上げます。
本日12月4日から2月29日のご注文分まで、通常価格から約15%引きでご案内します。
セール品一覧はこちら
集光型ビームシェーパー
入射するTEM00のビームをAiry Diskに変換する光学素子です。
このAiry Diskをレンズで集光すると、集光点にトップハットやリングビームが得られます。
型式に「Q」とついているモデルは、1枚レンズタイプでコンパクト&低価格です。ただ出射ビームの角度調整ができません。
型式に「NA」がついているものは、ビームシェーパーとコリメータが一体となったモデルで、QBHなどのコネクタで接続するモデルです。
集光型ビームシェーパーの詳細はこちら
結像型ビームシェーパー
入射するガウシアンビームをトップハットビームに変換する光学部品です。
広いエリアに均一照射したいといったアプリケーションに最適です。
結像型ビームシェーパーの詳細はこちら
マルチフォーカス光学系
光軸方向に多焦点を生成する光学部品です。
型式に「q」がついているモデルはアフォーカルの光学系で、コリメート光を入出射するモデルです。この光学系からの出射ビームをお手持ちのレンズで集光していただければ、光軸方向
に複数の焦点を得ることができます。
[q]がついていないモデルはNA0.8の対物レンズタイプです。
金属加工用マルチフォーカス光学系の詳細はこちら
透明材料加工用マルチフォーカス光学系の詳細はこちら
マルチスポット光学系
入射するコリメートビームを複数に分岐し、加工エリア内に複数のスポットを生成する光学素子です。
quattroXXは入射するビームを4つに、peaXXusは9つに分岐します。
それぞれ各スポットのパワーバランスを変えることができ、また、quattroXXはスポットの位置も調整可能です。
4スポット光学系の詳細はこちら
9スポット光学系の詳細はこちら
熱レンズ効果抑制コリメータ
サファイヤで作られたコリメータです。
QBHまたはQDから出射するビームをコリメート光にします。
Korundは熱伝導の高いサファイヤで作られており、熱レンズ効果を抑制します。
熱レンズ効果抑制コリメータの詳細はこちら
Quasiズームコリメータ
trioFokusは焦点距離可変のコリメータです。
f=50mm、80mm、150mmにおいてワーキングディスタンスが一定の光学設計となっており、レンズを入れ替えなくてもコリメート
ビーム径を変更することができます。
50<f<80mm、80<f<150mmにおいても、ワーキングディスタンスはほとんど変わらず、これら焦点距離においてもtrioFokusの調整機構により平行光を取り出すことが可能となります。
Quasiズームコリメータの詳細はこちら
熱レンズ効果抑制保護ガラス
aThermoXXは熱レンズ効果を抑制した保護ガラスです。
コンタミ付着により起こる熱レンズ効果を最小限に抑えます。
熱レンズ効果抑制保護ガラスの詳細はこちら
球面収差補正レンズ
aplanoXXは球面収差を補正可能な対物レンズです。
透明材料の内部へ高いNAで集光したい場合などに最適な光学素子です。
球面収差補正レンズの詳細はこちら
セール品一覧はこちら
4. 旧シリーズフォーカスモニタの修理について
今回は情報盛りだくさんで申し訳ありません。
PRIMES社のFM35、FM120について、メインボードなどの修理部品の確保が困難な状況が続いております。
そのため、上記2機種につきまして、2023年12月末日をもちまして、メインボード交換を伴う(Y軸、Z軸稼働の動作不良、取得したビームの画像がゆがむなどの症状)フルメンテナンスサポートを終了するとのアナウンスがありましので、皆様にご報告させていただきます。
メインボード交換を伴わないフルメンテナンスは従来通り継続いたします。
突然のアナウンスでご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
編集後記
先日あるお客様に、これからの情報収集は受動情報収集が主流になるという貴重なお話をいただきました。
受動情報収集とは、キーワードを入力してWeb検索する能動的な情報収集に対して、SNS等でフォローすることにより、興味のある情報だけを選択的に収集するというものです。
商社である以上、皆様に情報をお届けしてなんぼなので、こういった方法も今後は考えていかなければならないのだろうと感じました。
弊社がSNSを始めるようなことがあればアナウンスしますので、皆様フォローをお願いします。
さて、11月最終週はドイツへ出張に行っておりました。
この出張期間に開催されたBionic Laser Forumでの様子を次回メルマガでご案内しようかと考えています。
それでは皆様、お正月まであと1か月、ラストスパートで頑張りましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。