サファイヤ光学部品
サファイヤは合成石英と比較して、熱伝導率が高く、屈折率が高いという特徴を持った材料です。
熱レンズ効果は光学部品がレーザ光を吸収した際に生じる光学部品上の温度分布により発生しますが、サファイヤ光学部品の場合は熱伝導率が高いため、合成石英と比較して熱レンズ効果が起きにくいという性質があります。また、屈折率が高いので、同じレンズを製作しようとしたときに、合成石英よりも大きな曲率半径のレンズを製作できます。其のため球面収差を抑えることができ、またレンズ自体を薄く作ることができるので熱レンズ効果抑制にも良い影響が出ます。
サファイヤ光学部品について
サファイヤは研磨が非常に難しく一般的に販売されている光学部品では研磨時についたスクラッチやディグの影響により高出力レーザでのご利用は難しいと言われています。
当社が取り扱うサファイヤ光学部品は高い研磨技術により、高い面品質をご提供します。高出力レーザでのご利用に最適です。
サファイヤ光学部品の種類
以下の光学部品をご提供可能です。
・保護ガラス
・球面レンズ
・QBHコネクタマウント付きコリメータレンズ
フォーカスシフトの測定結果
PRIMES社製フォーカスモニタを使い、以下条件で熱レンズ効果によるフォーカスシフトの測定を行いました。
フォーカスシフト測定条件
- レーザ: ファイバーレーザー
- レーザ出力: 500W, 1500W, 2500W, 3500W, 4500W
- ファイバコア径: 200um
- BPP: 6mm*mrad
- 拡がり角: 0.06rad(半角、1/e^2)
- コリメータ焦点距離: 120mm(以下QBHコネクタマウント付きサファイヤコリメータレンズを使用)
- コリメートビーム径: 14-15mm(1/e^2)
- 集光レンズの焦点距離: 120mm
- コリメータ及び集光レンズの材質: サファイヤ
フォーカスシフト測定に使用した測定器
PRIMES社のフォーカスモニタは高出力レーザの集光ビームプロファイル計測に最適な測定器です。
高速回転する測定チップによりレーザ光をサンプリングし、プロファイル計測を行うため、レーザ光を減衰することなく、ダイレクトに計測が可能です。
フォーカスモニタについて詳しい情報はこちら
フォーカスシフト測定結果
上記条件においてレーザ出力を500W、1500W、2500W、3500W、4500Wと上げながらフォーカスシフト量を確認しました。
結果、どの出力でもフォーカス位置は一定であることがわかりました。
500Wにおけるフォーカスシフト測定結果
1500Wにおけるフォーカスシフト測定結果
2500Wにおけるフォーカスシフト測定結果
3500Wにおけるフォーカスシフト測定結果
4500Wにおけるフォーカスシフト測定結果
過去の制作実績
QBHコネクタマウント付きサファイヤコリメータレンズ
焦点距離:120mm ※他の焦点距離、コネクタにも対応可能です。
サファイヤ集光レンズ
直径50.8mm、焦点距離160mm ※カスタム対応可能
サファイヤズームコリメータ
焦点距離=50~150mm可変