第十回メールマガジン(2020年8月17日発行)
●●●目次●●●
1. ご挨拶
2. マルチフォーカス
3. ピックアップ(ズームレンズ)
4. 編集後記
1. ご挨拶
本メルマガもついに10回目となりました。
皆様から励ましのお言葉を頂いたりしながらですが、なんとか目標としていた第10回を迎えることができましたことを嬉しく思いますし、またこれまで読んでいただいた皆様に感謝申し上げたい気持ちでいっぱいです。
今後は不定期で配信していきたいと思います。海外の展示会や学会に行けず、ネタ収集に苦労しそうですが、今後も面白い情報をいち早く収集できるようアンテナを広げ、少しでも皆様のお役に立てるよう頑張りたいと思います。
今後とも株式会社プロフィテットをよろしくお願いします。
2. マルチフォーカス
最終回のネタにふさわしいかどうかわかりませんが、今回のテーマはマルチフォーカス光学系です。
前回マルチスポットジェネレータをご紹介しました。マルチスポットジェネレータは加工面上に複数のスポットを生成する光学素子ですが、マルチフォーカス光学系は光軸方向に複数のスポットを生成 ▼マルチフォーカスとは
する光学部品です。
マルチフォーカスとはその名の通り、複数の集光ビームを生成します。
通常の集光レンズの場合、レンズを通過したビームは一点に集光されますが、マルチフォーカス光学系を利用しますと、ビームは複数点(2点、4点など)に集光されます。
入射するビームのパワーを100%とすると、4点集光の場合、25%の集光ビームが4つ出来上がるというイメージです。
▼どんなことに利用できるの?
切断や溶接に有効です。
例えばガラスやサファイアのような透明材料を切断する場合、超短パルスレーザを透明材料内部に集光して加工を行いますが、マルチフォーカス光学系を利用すると、それが多点で行なうことができます。
ベッセルビームのように、アキシコンレンズのアライメントに苦労することなく簡単に多点集光ビームを生成できるのがこの製品の特徴です。
しかもっ!通常ですと、内部に集光されたビームは深さ方向に異る球面収差の影響を受けると思いますが、マルチフォーカス光学系はこの球面収差もキャンセルします。
溶接はアルミの溶接で低スパッター溶接ができたという報告があります。
これはキーホール内部に複数の集光ビームを置くことにより、キーホールを太く安定させるという効果と、最近流行りのリングビームのような溶融池の寿命を伸ばすといった効果が影響しているものと考えられます。
▼調整機構
マルチフォーカスレンズの特徴の一つとして調整機構があります。
この調整機構により、集光ビームを2つと4つで切り替えたりすることが可能となります。
▼マルチフォーカス光学系の種類
マルチフォーカス光学系は3つのタイプがございます。
1つ目はコリメータタイプ、2つ目はアフォーカルタイプ、3つ目は集光レンズタイプです。
コリメータタイプはファイバレーザから出射するビームを平行光にする目的で使われます。コリメータタイプマルチフォーカス光学系を通過したビームは通常のレンズで集光しても複数のビームに集光することができます。
アフォーカルタイプは平行光IN/OUTの光学系です。コリメートビームを入射し、出射したビームを通常のレンズで集光すると複数集光ビームが得られます。
3つ目の集光レンズタイプは、通常のコリメートビームを複数に集光します。
弊社取り扱いの高出力レーザ用マルチフォーカスレンズはこちら
弊社取り扱いの透明材料加工用マルチフォーカスレンズはこちら
3. ピックアップ(ズームレンズ)
今回のピックアップはズームレンズです。
ズームレンズはワーキングディスタンスを一定のまま焦点距離を変えることができるレンズです。 弊社取り扱いのズームレンズはこちら
レンズを交換したりせずに倍率変更をしたりすることができます。
デフォーカスをすることなくスポット径を変えることができますので、安定したビームプロファイルでレーザ加工を行うことが可能となります。
4. 編集後記
皆様、夏休みはどのようにお過ごしになられたでしょうか?
私は、息子の少年野球で猛暑の中活動するというほぼ修行のような毎日を過ごしておりました。
さて、このメールマガジンも何とか10回目を迎えることができました。
先日ある大学の名誉教授の方に「こんな貴重な情報を無料で提供するなんてもったいないですよ」という、この上ないお言葉をいただきました。
その日自宅に帰ってからのビール(発泡酒です・・・)が最高に美味しかったのは言うに及ばず。。。
もし貴重な情報と思っていただける方がいらっしゃるのであれば、今後も続けていきたいというのが私たちの考えですので、今後も不定期となってしまいますが情報配信を心がけていきたいと考えております。
これまでご覧頂きました皆様へは感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
引き続き株式会社プロフィテットをよろしくお願いします。
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