高出力VCSEL/HCSEL

高出力VCSEL/HCSEL

 

VCSELとHCSEL
 

VCSELって何?

 

VCSELはVertical Cavity Surface Emitting Laserの略称で、日本語だと垂直共振器型面発光レーザーと呼ばれます。

面から垂直に光を発光する性質のレーザーです。

一般的な半導体レーザはチップに平行にレーザーが出射されるのですが、VCSELの場合はDBRという反射鏡を用いることで垂直に出射することができるのです。

 

面から垂直に発光すると何かいい事あるの?

 

チップをアレイ状に並べることができるので、広い面積へのレーザ照射が得意です。

身近なところだとスマートフォンの顔認証にはVCSELが使われていますよ。

 

一般的な半導体レーザーはチップと平行に共振器が構成されており、光の出射も同じ方向ですが、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)はチップと垂直に共振器が構成されており、その方向(チップの面に垂直)に光を出射する半導体レーザです。
一般的な半導体レーザと比較して製造が楽で大量生産に向いているため低価格化が実現できるだけでなく、その低い閾値電流からシステム全体の消費電力を抑えることが可能となります。

 

 

へぇ、じゃあHCSELは何?

 

HCSELはHorizontal Cavity Surface Emitting Laserの略で、日本語では水平共振器型面発光レーザです。

VCSELと同じで面発光するのですが、共振器は一般的な半導体レーザと同じように水平方向に構成されています。

 

共振器を水平にしているのに面発光?複雑ね。

何かメリットあるの?

 

水平方向に共振器を組むことにより増幅距離を長く取れるため、結果として高出力化が容易にできるようになります。

 

 

レーザー乾燥とは

燃料電池の製造において最も重要な工程の一つが電極(正極板、負極板)の製造です。
この工程では、混練機に入れた粉末材料と液体を混ぜ合わせたペーストを金属箔表面に塗布し、それを乾燥後にロールプレスで厚みを圧縮します。
この乾燥の工程では熱風乾燥やレーザーが使われます。
レーザー乾燥は熱風乾燥と比較して、高速に乾燥が行えること、均一な触媒層の形成が可能なこと、低い消費電力であること、装置が小型化されることなどのメリットがあります。

 

 

レーザー乾燥に使われるレーザーの種類

レーザー乾燥には、ファイバーレーザー、半導体レーザー、VCSEL/HCSELが使われます。
ファイバーレーザーや半導体レーザの場合、光ファイバから出射されるビームは丸いビームであるため、広範囲を均一に照射することが求められるレーザー乾燥を行うために、特殊な光学系でビームをライン状、または矩形に成形する必要があります。光ファイバでレーザーを伝送できるというメリットはありますが、光学系が複雑になるのと、VCSELやHCSELと比較して大きく高額な装置になってしまうというデメリットがあります。
VCSELやHCSELはそのコンパクトな構造、低消費電力の観点からこのアプリケーションに最適なレーザーと言えます。

 

 

 

製品
品番 0594123 0594363 0594104 0594114 0594164 0594214
レーザ出力 1.2kW 3.6kW 10kW 11kW 16kW 21kW
照射エリア 132 x 96mm 132 x 288mm 132 x 672mm 132 x 768mm 132 x 1152mm 132 x 1536mm
制御エリア 16 48 112 128 192 256
ドライバー数 1 3 7 8 12 16
パワー密度 100kW/m2
波長 940±10nm
ビーム角度 12度(半角)
ワーキングディスタンス 100±10mm
使用温度 10~45℃
寸法 170×135mm(幅×高)
冷却水流量 5リットル/分 15リットル/分 35リットル/分 40リットル/分 70リットル/分 100リットル/分