第二十三回メールマガジン(2023年3月2日発行)
●●●目次●●●
1. ご挨拶
2. 熱レンズ効果について
3. 新製品!フォーカストラッカー販売開始
4. 教えてください!
1. ご挨拶
今年ももう2ヶ月が過ぎ、寒さもだいぶ和らいできた今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は、久しぶりに新製品情報をご案内できることとなりましたので、新製品に関連して今回は熱レンズ効果特集とさせていただきます。
最後までお読みいただければ幸いです。
2. 熱レンズ効果について
高出力レーザを使用している方々にはお馴染みの熱レンズ効果ですが、これは非常に厄介なものです。
特にプロセスウインドウが狭いレーザ加工の場合、熱レンズ効果による加工点のレーザ特性の変化はクリティカルで、不良率を上げ生産に大きなダメージを与えます。
2-1.合成石英
レーザ光がレンズや保護ガラスなどの光学部品を通過するとき、僅かな光が光学材料に吸収されます。
合成石英のような材料は純度が高いため、この吸収がほとんど起こらず、高い出力のレーザにも使用できます。
しかしながら、この万能とも思える合成石英にも弱点があります。
それは熱レンズ効果の要因の一つであるdn/dT(屈折率温度勾配)です。
光学部品は温度が上がると屈折率が変化しますが、合成石英はその値が非常に高い材料です。
そのため、超高出力レーザで使用したり、光学部品上にコンタミが付着した際には、屈折率が大きく変化し、それが原因で熱レンズ効果を誘発してしまいます。
熱レンズ効果のもう一つの要因は熱膨張です。
合成石英は熱膨張が小さく、この点においては心配ありません。
2-2.理想的な材料
dn/dT、熱膨張はどうしてもゼロにすることはできません。
そのため、dn/dTによる熱レンズ効果と熱膨張による熱レンズ効果の足し算がトータル熱レンズ効果となります。(厳密には熱伝導も考慮しなければなりませんが、ここでは割愛します。ご興味がある方はご連絡ください)
つまり、dn/dTと熱膨張それぞれで起こる熱レンズ効果が互いに打ち消しあう関係にある時、熱レンズ効果は起こりません。
そのような材料がございますので、是非お問い合わせください。
2-3.高出力レーザで使用するfθレンズ
上記の理想的な材料を使ったfθレンズの製作も可能です。
別の要因があり、何でもかんでも作れるものではございませんが。
こちらもご興味のある方は是非お声をおかけください。
3. 新製品!フォーカストラッカー販売開始
高出力レーザ用計測器の老舗であるPRIMES社より新製品フォーカストラッカーが販売開始となりました。
フォーカストラッカーは、集光するビームの焦点位置の計測を行います。
サンプリングレートが40Hzあるため、集光位置の変化をリアルタイムで計測することが可能となります。
これにより、皆様お困りのフォーカスシフトをリアルタイムに計測することが可能となります。
フォーカストラッカーには、基本波用と532nm用の2機種がございます。
デモ機の用意をします。デモ依頼はこちらから!
お使いの光学部品がいかに大きなフォーカスシフトとなっているかを確認していただき、弊社の熱レンズ効果対策光学部品をご検討していただくモチベーションとしていただければ幸いでございます。
4. 教えてください!
アイデアのある方、教えてください。(情報提供する場であるメルマガで情報収集してしまい申し訳ありません。。。)
ツインスポットで、2つのビームの強度比率を変えられると良いアプリケーションはないでしょうか?
もう一つの条件がございまして、ツインスポットの強度比率を変えることができる(可変です)加工ヘッドが2つ使うようなアプリケーションだと尚良いです。(以下図のようなイメージです。ヘッドは横に並んでいる必要はありません)
このような用途をお持ちの方がいらっしゃれば良い提案ができるかと思いますので、一度お声をおかけいただければ幸いです。
5. 編集後記
先日サンフランシスコでPhotonics Westが開催されましたが、今年も行けませんでした(輸入商社をやっていながら、このような情報収集の機会を有効に使えていないことに反省しかありません。。。Laser World of Photonicsは行けるといいのですが。)
国内にいましても、日ごろから情報収集には気を使っていますので、また有意義な情報を皆様にご提供できるよう頑張ります。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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