フェムト秒レーザマイクロマシニング装置
特定の産業プロセス用に設計されたフェムト秒レーザ微細加工システムです。各アプリケーションに合わせて様々な構成(レーザ発振器、スキャニング光学系、ステージ))でのご提案が可能です。システムはクラス1のレーザ安全筐体で保護されており、ユーザはクラス1の安全地帯から高度ソフトウェアによりシステムを制御できます。
アプリケーションに合わせて最適なシステムのご提供をさせていただきます。
特徴
アプリケーション
- セラミックスクライミング
- ガラス切断
- サファイア切断
- レーザ穴あけ
- 太陽電池
- 複屈折パターニング
- 高速加工 最大300mm/秒
- サブミクロン分解能
- 低HAZ
- サブミクロン精度でのワーク位置決め
- ガルバノスキャナによる正確なスキャニング
- パルスエネルギー密度制御
仕様
パラメータ |
値 |
パルス幅 |
200fs~10ps |
繰り返し |
1kHz~1MHz |
平均出力 |
~20W |
パルスエネルギー |
~2mJ |
波長 |
1030nm、515nm、343nm、258nm、206nm |
位置精度 |
±250nm |
駆動範囲 |
25 X 25mm~300 X 300mm(ご希望により更に大きくできます) |
製品構成
- レーザ発振器
- ワーク用ポジショニングシステム
- ビームデリバリ+ガルバノスキャナ
- レーザ出力、偏光コントローラ
- ソフトウェア(オートフォーカス、マシンビジョンはオプション)
- サンプルホルダ(サンプル自動ハンドリング装置はオプション)
- 光学テーブル
- エンクロージャ
- 集塵機
加工写真
切断
スクライブ
穴あけ
マーキング
アブレーション
アディティブ加工
フェムト秒レーザによる切断
ポリマー切断 | |
・ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート |
1mm厚 強化ガラス切断 | ||
・直線、曲線の自由形状切断
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0.5mm厚 強化ガラス切断 | ||
・直線、曲線の自由形状切断
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ガラス切断 | ||
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・直線、曲線の自由形状切断 上段左: 60um厚 |
サファイアダイシング | ||
・直線、曲線の自由形状切断 左: 100um厚 |
フェムト秒レーザによるスクライビング
セラミックスのスクライブ | ||
・ゼロHAZ、溶融なし |
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フェムト秒レーザによる穴あけ
ガラス、サファイア穴あけ | ||
・テーパー、ストレート、逆テーパー
左: ガラス |
金属穴あけ | ||
・低HAZ、溶融なし
左: 鉄薄板 |
フェムト秒レーザによるマーキング
様々な材料へのマーキング | ||
・高いコントラスト
上段左: 金属へのカラフルマーキング
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有機材料へのマーキング | ||
・高いコントラスト
左: 木
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透明材料への内部マーキング | ||
・高いコントラスト
上段左: サファイア
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フェムト秒レーザによるアブレーション
金属へのアブレーション | ||
・リソグラフィのマスク製作
上段左: ガラス基板からクロムを除去 |
硬い材料へのアブレーション | ||
・高速加工
上段左: ダイヤモンド焼結体(PCD)
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誘電レイヤーのアブレーション | ||
・パルス周波数:100kHz
左: 太陽電池の誘電レイヤーアブレーション |
フェムト秒レーザによる3Dアディティブ加工
マイクロオプティクス | ||
・分解能: 200nm~10um
1段目左: アキシコンレンズ |
フリーフォーム | ||
・分解能: 200nm~10um
上段左: フリーフォーム3次元形状 |
フェムト秒レーザの加工について
フェムト秒レーザとは
フェムト秒レーザでの加工の前に、フェムト秒レーザについてお話します。フェムト秒レーザの「フェムト秒」とはレーザパルスが光っている時間が「フェムト秒」であるということです。フェムト秒とは1秒の1000兆分の1の意味です。光のスピードは1秒間に地球を7周半と言われています。これだけ速い光でも1フェムト秒では0.00000003mしか進めません。約800フェムト秒でようやく髪の毛の周りを周できるというレベルです。フェムト秒レーザとはそれだけ短い間しかパルスが光っていないというレーザです。
特殊な加工
フェムト秒レーザでの加工は他のレーザの加工とは異なり、「非熱加工」というアブレーション現象を示します。例えばナノ秒レーザでの加工の場合、照射エネルギーは自由電子に吸収され材料を溶融します。その後、加工対象が蒸発しアブレーションが起こります。
フェムト秒レーザの場合、パルス幅が、電子-フォノン結合時間の数ピコ秒よりも短いため、熱伝導が起こる前にアブレーションが行われます。そのためフェムト秒レーザ(または数ピコ秒のパルス幅のレーザ)は熱の影響がないレーザ加工ができるというわけです。これにより加工部位周囲の熱変性領域が劇的に減ります。
他にもフェムト秒レーザを使うと、微細周期構造の形成が可能となります。フェムト秒レーザを加工対象のアブレーションしきい値付近までフルエンスを上げて照射すると、レーザが照射されった箇所に波長オーダーの周期構造を形成することができます。LIPPS(レーザ誘導ナノ周期構造)と呼ばれる加工です。
当社のフェムト秒レーザ加工機が選ばれる理由
一概にフェムト秒レーザと言っても世の中には、パルス幅、パルスエネルギー、繰り返し周波数などの異なる様々なレーザがあります。もちろんこれらが異なると同じ材料加工であっても加工品質が異なります。当社ではヨーロッパ最大のフェムト秒レーザ加工ラボを持つWoP社の製品を販売しています。
WoP社のアプリケーションラボには、様々なフェムト秒レーザ加工機がございます。様々な選択肢の中からお客様のアプリケーションに最適な組み合わせを選定させていただきます。
WoP社はフェムト秒レーザ加工のリーディングカンパニーで、長年の経験から様々な(特にガラス、サファイヤ加工の)ノウハウがございます。
単純に良いレーザ、良いスキャナ/ステージを組み合わせるのではなく、それらの制御にWoP社のノウハウがぎっしり詰まっており、最高品質の加工と、高い生産性をご提供します。