この光学系を使うことで、光軸方向に複数の集光スポットを生成することができます。本光学系は主にガラスやサファイヤ、SiCなどの透明材料の内部加工に有効です。
調整リングがあり、調整することでスポット間のビーム強度比率を変えることができます。
透明材料の加工か。切断や穴あけにベッセルビームがいいって聞いたことあるな。
ベッセルビームもこの光学系と同じように、透明材料の厚み方向に均一なエネルギー分布を持たせて加工をするという目的で使われますね。
ベッセルビームに対して何かメリットあるの?
ベッセルビームを生成するためにはアキシコンレンズを使います。アキシコンレンズはアライメントが非常に難しいのと、頂角のダメージが心配な光学部品です。
この製品は±1度というかなり荒い位置だしで使うことができる光学系ですので、組み込みが非常に楽で、安定して使うことができます。
本製品には対物レンズタイプとアフォーカルタイプの2種類があります。
NA0.38とNA0.8の2機種がございます。
ΔF (大気中) | 15um-47um(2焦点) 16um-15um-16um(4焦点) |
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ΔF (ガラス) | 24um-72um(2焦点) 24um-24um-24um(4焦点) |
ΔF(サファイア) | 28um-86um(2焦点) 29um-28um-29um(4焦点) |
入射ビーム径 | 12.9mm |
NA | 0.8 |
焦点距離 | 8.1mm |
ワーキングディスタンス | 1.0mm |
波長 | 1020~1100nm |
510~550nm | |
※その他波長も承ります | |
2ω(@1064nm in air) | 1.1um |
2ω(@532nm in air) | 0.6um |
許容チルト | ±1° |
最大パルスエネルギー | 25mJ @ 5ns |
マウント | Cマウント(1"-32 UN 2A) |
直径 | 39mm |
長さ | 44.5mm |
ΔF (大気中) | 72um-220um(2焦点) 74um-72um-74um(4焦点) |
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ΔF (ガラス) | 110um-338um(2焦点) 114um-110um-114um(4焦点) |
ΔF(サファイア) | 128um-394um(2焦点) 133um-128um-133um(4焦点) |
入射ビーム径 | 12.9mm |
NA | 0.38 |
焦点距離 | 17.0mm |
ワーキングディスタンス | 9.8mm |
波長 | 1020~1100nm |
510~550nm | |
※その他波長も承ります | |
2ω(@1064nm in air) | 2.5um |
2ω(@532nm in air) | 1.3um |
許容チルト | ±1° |
最大パルスエネルギー | 25mJ @ 5ns |
マウント | Cマウント(1"-32 UN 2A) |
直径 | 39mm |
長さ | 39.8mm |
ΔFってなんのパラメータ?
ΔFは生成される集光スポット間の距離です。マルチフォーカスレンズの焦点距離により異なるスポット間距離となります。
アフォーカルタイプのマルチフォーカス光学系は、装置の平行光の位置に挿入するだけで集光点に複数のスポットを生成することができます。
アフォーカルタイプも調整機構があり、様々な集光パターンを得ることができます。
foXXus_0-0.21_q | ||
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fθレンズの焦点距離 | f=100mm | f=160mm |
ΔF(大気中) | 30um (トータル210)um | 77um (トータル538)um |
ΔF(ガラス) | 45um (トータル315)um | 115um (トータル805)um |
ΔF(サファイア) | 53um (トータル370)um | 135um (トータル945)um |
入射ビーム径 | 20mm | |
NA | 0.1mm | 0.063 |
波長 |
foXXus_0-0.21_q_1064::1020-1080nm foXXus-0-0.21_q_343/515::335-365nm, 510-540nm |
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2ω(1064nm) | 9.4um | 15um |
2ω(532nm) | 4.7um | 7.5um |
2ω(355nm) | 3.1um | 5.0um |
許容チルト | ±3° | |
ワーキングディスタンス | fθレンズによる | |
最大パルスエネルギー | 25mJ @ 5ns | |
マウント | Cマウント(1"-32 UN 2A) | |
寸法 | Φ48×61mmL |
foXXus_0.5-1.5_q | ||
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入射方向 | 正方向 | 逆方向 |
ΔF(大気中) | 2焦点: 0.5または1.5mm(f=100mm時) | 2焦点: 1または2.9mm(f=100mm時) |
2焦点: 1.9または6.1mm(f=200mm時) | 2焦点: 3.7または11.9mm(f=200mm時) | |
4焦点: 0.5 - 0.5 - 0.5mm(f=100mm時) | 4焦点:?1 - 0.9 - 1mm(f=100mm時) | |
4焦点: 2.1 - 1.9 - 2.1mm(f=200mm時) | 4焦点:?4 - 3.7 - 4.2mm(f=200mm時) | |
倍率 | 1.41倍 | 0.71倍 |
クリアアパチャ | 入射14mm、出射20mm | 入射20mm、出射14mm |
波長 |
foXXus_0.5-1.5_q_1064: 1020-1100nm foXXus_0.5-1.5_q_532: 510-550nm foXXus_0.5-1.5_q_355: 340-370nm |
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許容チルト | ±3度 | |
ワーキングディスタンス | 使用するレンズのワーキングディスタンス | |
最大パルスエネルギー | 25mJ @ 5ns (推奨) | |
マウント | M27 x 1 (入出射) | |
寸法 | Φ48×135mmL |
対物レンズタイプはΔFが固定だったけど、アフォーカルタイプはどうなるの?
アフォーカルタイプの場合、ΔFは各機種が持つ固有の値と、使用する集光レンズの焦点距離で決まります。
例えばfoXXus_0-0.21_qを使い、f=100mmのレンズで集光した場合の各集光スポット間距離は大気中において30umピッチとなります。
でも必ずしもf=100mmの集光レンズ使うとは限らないよね。
別のレンズを使った場合はどうやって計算すればいいの?
基準となる焦点距離、基準となるΔFは仕様に書かれている通りです。
もし、焦点距離を100mmではなく、倍の200mmにした場合、スポット間距離は、仕様書にある基準値の(200-100)^2=4倍になります。
焦点距離比率の2乗で効いてくると覚えてください。
大気中のスポット間隔と、透明材料内部のスポット間隔は違うんでしょ?
大気中のスポット間隔がわかったら、それに透明材料の屈折率をかければOKです。
例えば、大気中で30umのスポット間隔の場合、屈折率1.45のガラス内部に集光すると、スポット間隔は30×1.45=43.5umとなります。