フィールドマッパーやDoEがあればビームシェーピングは完璧だよね!
いいえ、フィールドマッパーやDoEはシングルモードのレーザが入射することを想定して設計されています。波面がバラバラのマルチモードではうまく機能しません。
最近はセンターコアとリングコアをもった、レーザ自身がプロファイル制御できるファイバレーザがでてきたけどDoEとかで効率よくビームシェーピングができないからっていう背景があるのね。
でもプロファイルを変えるためにレーザを買うって結構ハードル高いわよね
はい。そこでマルチスポット光学系の出番なんです。
この光学系は、普通のマルチモードファイバレーザを、モード可変ファイバレーザが生成する特殊リングモードに変換する光学部品なんです。
マルチスポット光学系は、入射するビームを複数に分岐させます。分岐されたレーザをレンズで集光することで加工面に複数のスポットを得ることができます。これにより、リングモードや複雑なプロファイルパターンを生成することが可能となります。
屈折光学系を採用しているため透過損失が低く、高効率でビームを透過します。
また、この光学系はdn/dTとCTEのバランスが非常に良い光学素子を使用しており、熱レンズ効果が極めて低いという特徴があります。
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モード可変レーザってどんなの?
モード可変レーザは光ファイバ内に光の通り道が2つ(または3つ)あるレーザです。通常は1つですので、結像するとフォーカスは1つですが、モード可変レーザの場合は2つ(または3つ)できます。
1つは真ん中の丸いコアで、もう1つはリング状のコアよね
はい。そのため、結像すると、リングビームの真ん中にスポットがあるような特殊なビームプロファイルが得られます。
モード可変レーザは、このセンターコアとリングコアに入れる光の比率を変えることで、センタースポットとリングビームの比率を変えることができるんです。
すごいね。でもそれがどういった効果があるの?
一般的に、センターコアはキーホール溶接につかい、リングコアは余熱の効果や、溶接後のキーホールの寿命を延ばす効果があります。これにより溶融地やキーホールが安定して、欠陥レスの溶接ができます。
ビームプロファイル制御ってすごいね。
でもレーザを新規で購入するってなるとハードル高いわ。
上司が納得してくれるか・・・
はい。だからマルチスポット光学系なんです!
マルチスポット光学系には4スポットに分岐するものと9スポットに分岐するものがあります。
4スポットジェネレータは入射するビームを4つに分けます。レンズで集光することで加工面に4つのスポットビームを得ることができます。これにより複雑なプロファイルパターンを生成することが可能となります。
4スポットジェネレータには2つの調整機構があり、それぞれ、ビーム間の強度比率調整、ビーム位置調整に使用されます。
以下は4スポットジェネレータで得られるビームの例です。
ビーム強度比率とビーム相対位置を変えられるってすごいね!
これなら最適なビームプロファイルを見つけられそうだわ!
上記プロファイルはほんの一例です。4スポットジェネレータはシームレスに位置とパワー比率を変えることができます。
詳細をお聞きになりたい場合はプロフィテットの営業マンに聞いてくださいね。
共通仕様 | |
---|---|
分岐される2つのビームの角度(隣り合うビーム) |
2.76mrad(カスタマイズ可) |
分岐される2つのビームの角度(対角線上のビーム) |
3.9mrad(カスタマイズ可) |
クリアアパーチャ |
Φ48mm |
波長 |
950~1100nm(カスタマイズ可) |
推奨最大入射パワー |
6kW(フォーカスシフトなし) |
型式 | 波長 | 分岐角度(隣×対角) | CA | 直径 | マウント |
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quattroXX 4_D48_1030/1070 |
1025-1035nm 1065-1075nm |
2.76×3.9 mrad |
48mm |
Φ94x140mm |
M58x1 |
quattroXX 0.754_D48_1070 |
1065-1075nm |
0.533×0.754 mrad |
|||
quattroXX 0.754_D48_1030 |
1025-1035nm | ||||
quattroXX 6_D29_1070 |
1065-1075nm |
4.25×6 mrad |
29mm |
Φ75x138mm |
M47x0.75 |
quattroXX 8_D29_1070 |
5.68×8 mrad | ||||
quattroXX 8_D29_1064 |
1060-1073nm | ||||
quattroXX 2_D30_1030/1070 |
1025-1035nm 1065-1075nm |
1.38×1.94 mrad |
30mm |
||
quattroXX 6_D30_1030/1070 |
4.25×6 mrad | ||||
quattroXX 8_D30_1030/1070 |
5.68×8 mrad |
4スポットジェネレータは固定光学系のヘッドだけでなく、ガルバノヘッドを使った光学系に簡単に組み込むことができます。以下にインテグレーション例を示します。
9スポットジェネレータは入射するビームを9つに分けます。レンズで集光することで加工面に9つのスポットビームを得ることができます。これにより、一般的なシングルコアのレーザを使用しても、モード可変レーザのような特殊リングモードを生成することができます。
調整機構により中心のビームと周辺のビームのパワー比率を変えることができます。
以下は9スポットジェネレータで得られるビームの例です。
センターピークとその周辺のビームが得られてるね
高いレーザを買わなくてもこんなにフレキシブルにビームプロファイルを変えられるなんてすごい!
これまでの実験で、アルミのスパッタレスに有効なことがわかっていますよ。
共通仕様 | |
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スポット数 |
9 |
スポットレイアウト |
3x3マトリクス |
入射ビーム |
コリメートビームまたは低ダイバージェンスビーム |
クリアアパチャ |
30mm |
レーザ |
TEM00、マルチモード |
最大推奨パワー |
6kW |
波長 |
950-1100nm 可視光 ※木の葉にの特定波長で製作可能です |
入射許容角度 |
±3度 |
水冷継ぎ手 |
2006/1/8 |
直径 |
71mm |
全長 |
135.5mm |
マウント |
M47×0.75外ネジ |
個別仕様 | _1.8_sq_D30_1070 | _1.25_sq_D30_1070 | _0.9_sq_D30_1070 |
---|---|---|---|
分岐角度(隣り合うビーム) |
1.84mrad(全角) |
1.22mrad(全角) |
0.92mrad(全角) |
分岐角度(対角線上のビーム |
2.6mrad(全角) |
1.72mrad(全角) |
1.3mrad(全角) |
使用波長 |
1065-1070nm |
9スポットジェネレータは固定光学系のヘッドだけでなく、ガルバノヘッドを使った光学系に簡単に組み込むことができます。以下にインテグレーション例を示します。