レーザ焼入れ用加工ヘッド

レーザ焼入れ用加工ヘッド

 

 

レーザ焼き入れとは

レーザ焼き入れは、レーザにより金属表面を急速に加熱、その後急速に冷却することにより、金属材料の表面をマルテンサイト組織に変化させ硬化させる技術です。金属部品の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができます。
炉で加熱する従来技術と比較し、レーザの場合は局所的な加熱が可能です。またレーザは非接触であるため工具などの摩耗がないというのも特徴です。

 

 

レーザを照射することで金属が固くなるんだ。びっくり!

どんなレーザが使われるんだろう?

 

レーザ焼き入れは金属の吸収が高いファイバーレーザ、半導体レーザ、CO2レーザが使われます。

 

レーザ加工って光をレンズで集光して行うんでしょ?

焼き入れの場合は局所的と言ってもある程度の面積に照射しないといけないから時間がかかるんじゃない?

 

一般的な集光スポットで焼き入れを行おうとすると時間がかかりますね。

そのため、レーザ焼き入れでは、ビームシェーピングしてライン状のビームや矩形のビームで行うのが一般的です。

 

マルチモードのレーザはビームシェーピングが難しいって聞いたぞ

 

DoEのような光学素子の場合、マルチモードのレーザのビームシェーピングは効率が悪くお勧めできません。

このような場合は、フィールドマッパーやレンズアレイを使います。

 

 

 

レーザ焼き入れ用加工ヘッド

レーザ焼入れ用加工ヘッドはファイバレーザから出射する拡散光をコリメートし、長手方向に一様なラインビーム状、またはドーナッツ型プロファイルの丸いビームに集光する加工ヘッドです。
QBHまたはQDコネクタを接続することができるストレート型のレーザ加工ヘッドです。
ラインプロファイルはカスタマイズ可能です。

 

 

 

加工動画

 

 

 

 


納品事例


左は福岡県工業技術センターに納品したレーザ加工ヘッドの例です。
レーザ焼き入れヘッドにより、円形コアから出射される5kWのディスクレーザ(1030nm)をライン状のビームにシェーピングしています。
本装置には弊社取扱いの超高速パイロセンサーオプションが採用されております。パイロセンサーはレーザ焼き入れ時の温度をリアルタイムで計測します。パイロセンサーに内蔵されているPID制御機構により、加熱エリアの温度が常に一定になるように、ディスクレーザの出力ををアナログ信号により1ms毎に制御することが可能です。
これにより入熱が安定し、焼き入れ加工が安定します。
ヘッドが非常に小型でシンプルな構成となっております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トップハットのラインビームで焼き入れするだけでなく、パイロメータを使ってレーザの出力をクローズドループで制御してるんだね!

 

パイロメータオプションはレーザ焼き入れに限らず、レーザを使用する様々な熱加工で非常に便利です。

 

 

仕様
項目 仕様

入射ビーム

マルチモード(ガウシアン上の形状)拡散ビーム

出射ビーム

集光ビーム

ワーキングディスタンス

200~350mm(スポットサイズと必要な強度分布により異なる

スポットビーム

ラインビーム(ライン長:6~12mm)

丸型ドーナッツビーム(スポット径:Φ4~12mm)

最大入射レーザパワー

6kW CW

冷却

水冷

重量

約3kg

 

πShaper NA 0.2_910-980 πShaper NA0.1_1064

ファイバー

NA=0.22

ファイバ径:Φ0.1~1mm

拡がり角2θ:0.38~0.4rad(1/e2)

NA=0.13

ファイバ径:Φ0.05~0.4mm

拡がり角2θ:0.15~0.18rad(1/e2)

波長

910~980nm

1050~1080nm

オプション

リアルタイム温度センサ(クローズドループ制御つき)

 

 

寸法例